「大崎事件に対する最高裁決定に抗議する」

私たち「冤罪犠牲者の会」は、原口アヤ子さんの悔しさを共に背負い、最高裁判所の決定は、絶対に許されない暴挙として抗議するとともに、このような決定を行った第一小法廷の裁判官は、直ちに全裁判官が辞職されるように求めます。

この大崎事件で犯人とされた原口アヤ子さんは、これまでに一度たりとも自白していません。共犯者とされた人たちの危うげな「自白」を根拠に犯人とされました。

この事実だけを見ても、原口さんを犯人とするには共犯とされた人の「自白」に対しても慎重で厳格な検討が必要と判るはずですが、最高裁の決定には思い込みと偏見があるのみで、とても裁判官の行った決定とは思えません。

5人の裁判官は「高裁認定のように溝に落ちた男性が出血性ショックで瀕死にあった可能性があるとするならば、事実上死体を堆肥中に埋めた者は自宅まで運んだ2人の男性外にないが、そのような証拠はない。そうすると犯人は原口さんら以外にない」というが、なぜ、このような馬鹿げた判断を裁判官たる人が出来るのでしょうか。

男性が堆肥の下から発見されたことから、即「殺人事件」として捜査したのが鹿児島県警・志布志警察署でした。そもそも「他に堆肥中に埋めた人」の捜査をしていないのですから、その証拠など、あるはずがないのです。

そのことから一気に「ゆえに原口さんら以外に犯人はいない」とした判断は、興味本位の人ならいざ知らず、裁判官たる人の思考でしょうか。人間性を疑います。

犯罪の認定は証拠です。証拠にのみ基付いて判断すべきなのです。小池裕、池上征幸、木澤克之、山口厚、深山卓也の5裁判官は、もう一度、法律と社会常識を勉強し直してから裁判官になるべきだと、私たち冤罪犠牲者の会は怒りを以て退官を勧めます。

目撃と称する人の証言や共犯者の「自白」は変転し、個々に検討すれば成立しません。矛盾に満ちています。どこから考えて「信用性は相応に強固」となるのでしょうか。

幾ら最高裁判所が声高に「信用性は強固」と叫ぼうが、誤りは誤り。「これを取り消さなければ著しく正義に反する」というが、著しく正義に反するのは最高裁判所第一小法廷の存在そのものです。

冤罪犠牲者は裁判所に救いを求めなければ救われません。裁判所が最後の拠り所です。その裁判所の最高裁判所が行った今回の決定は、余りにも理不尽な内容であり、真実の欠片もありません。原口さんの命を考えますと非道過ぎます。地裁、高裁と再審開始決定を下したものを、まるで「これ以上の再審開始は許さない」とでも言いたげに出された今回の理不尽な決定は、日本の裁判史上に残る暴挙で、私たちは、絶対に認めません。

このような裁判官の存在こそが日本に冤罪を蔓延させる元凶であるとことを社会に喧伝し、原口アヤ子さんの正義の通る日まで、共に闘うことを宣言します。

冤罪犠牲者の会一同