最高裁判所第三小法廷(渡邉恵理子裁判長)は、12月12日に小石川事件の再審請求を棄却する決定を出したが、この決定は誤りであり、私たち冤罪犠牲者の会は、怒りをもって強く抗議します。
伊原康介さんの冤罪も、多くの冤罪仲間と同じように警察の強引な自白強要を受けて嘘の自白をさせられたことで作られました。
そもそも殺害された女性が在室している部屋に盗みに入ったなどとする自白は荒唐無稽です。部屋に人がいれば入らないで逃げるだろうに、そのまま侵入して犯行に及んで気付かれて殺害したとする絵空事のような自白が有罪の証拠にされているのは、これまでに明らかになった多くの冤罪事件と同じです。
更に、殺害に使ったとされるタオルからは、伊原さんのDNAは検出されませんでした。被害者の衣類に付着した繊維も、伊原さんの衣類ではありませんでした。
科学的証拠は、伊原さんの無実を示しているのに、これまでに多くの仲間が泣かされ続けた裁判所の「無実ならば自白はしない」とする偏見によって科学的証拠は無視されています。
本年10月27日、弁護団は、改めてDNA鑑定などを提出して伊原さんの無実を明らかにしましたが、その訴えを満足に検討することもなく科学的証拠を無視して出された今回の決定は、絶対に容認出来ません。許せません。
これまでに再審無罪判決を得た仲間と同じように、私たちは、何れは科学的証拠によって伊原康介さんの無実は明らかになると確信しています。
その日まで、私たちは警察や検察の犯罪的な捜査活動を黙認して冤罪造りに加担する最高裁判所を始めとする裁判所の罪を追及すると共に、伊原さんと手を携えて闘い続けます。
(2022年12月24日)